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吉越 章隆; 小川 修一*; 高桑 雄二*
放射光, 35(3), P. 157, 2022/05
大気圧光電子分光[AP(Ambient Pressure)-XPS]は、2000年ごろから気体-表面反応の観察を目的に世界の放射光施設で次々に稼働し、現在では、液体,固液界面の観察にも利用されている。表面現象の真の姿を捉えるツールとして著しい技術の発展と利用研究が進んでいる。放射光学会誌の特集号としてAP-XPSを取り上げ、その企画説明をする。
永井 崇之; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*; 岡本 芳浩
2020年度「物質・デバイス領域共同研究拠点」および「人・環境と物質をつなぐイノベーション創出ダイナミック・アライアンス」研究成果・活動報告書(CD-ROM), 1 Pages, 2021/11
本研究は、ガラス組成や溶融条件を変えて作製したウラン(U)含有模擬廃棄物ガラスを放射光XAFS測定し、還元雰囲気で溶融作製したホウケイ酸ガラス中のUが4価状態で内包されることを確認した。
市川 正一; 千葉 悠介; 大野 史靖; 羽鳥 雅一; 小林 孝典; 上倉 亮一; 走利 信男*; 犬塚 泰輔*; 北野 寛*; 阿部 恒*
JAEA-Research 2016-021, 32 Pages, 2017/02
日本原子力研究開発機構は、高速増殖原型炉もんじゅのプラント工程への影響を低減するため、現在、原子炉格納容器全体漏えい率試験で用いている塩化リチウム式露点検出器の代替品として、静電容量式露点検出器の検証試験を実施した。原子炉格納容器全体漏えい率試験(試験条件: 窒素雰囲気、24時間)における静電容量式露点検出器の測定結果は、既存の塩化リチウム式検出器と比較して有意な差は無かった。また、長期検証試験(試験条件: 空気雰囲気、2年間)においては、静電容量式露点検出器は、高精度鏡面式露点検出器との比較の結果、「電気技術規程(原子力編)」の「原子炉格納容器の漏えい率試験規程」に基づく使用前検査時に要求される機器精度(精度: 2.04C)を長期間にわたり有することを確認した。
湊 和生; 赤堀 光雄; 坪井 孝志; 黒羽根 史朗; 林 博和; 高野 公秀; 音部 治幹; 三角 昌弘*; 阪本 琢哉*; 加藤 功*; et al.
JAERI-Tech 2005-059, 61 Pages, 2005/09
乾式再処理プロセス及び酸化物燃料における超ウラン元素(TRU)の挙動に関する各種基礎データを取得するための実験設備として、燃料サイクル安全工学研究施設(NUCEF)のバックエンド研究施設(BECKY)内に、TRU高温化学モジュール(TRU-HITEC)を設置した。本設備は、鉄及びポリエチレンで遮へいされた3基の/セルと含鉛アクリルで遮へいされた1基のグローブボックス、並びに内装された試験装置等から構成されており、セル及びグローブボックス内は高純度アルゴンガス雰囲気に維持されている。10グラムのAmを使用可能なほか、TRUのNp, Pu及びCmを取り扱うことができる。本報告書は、TRU高温化学モジュールの概要,設備の構造及び性能,設備性能試験,内装試験装置、並びに試験装置の性能試験についてまとめたものであり、原研と東京電力(株),東北電力(株)及び日本原子力発電(株)との共同研究の成果である。
岩井 保則; 山西 敏彦; 林 巧; 西 正孝
Fusion Science and Technology, 48(1), p.456 - 459, 2005/07
被引用回数:3 パーセンタイル:24.22(Nuclear Science & Technology)既存の触媒酸化吸着除去方式雰囲気トリチウム除去プロセスへの気体分離膜を用いた膜分離プロセスの付加は、大容量雰囲気ガス処理を必要とする核融合プラントには魅力的である。このため、ガス分離膜による雰囲気からのトリチウム分離に関し、その分離機構の解明と工学設計への適用を目的とした静特性及び動特性コードを開発してきた。本報告では膜分離の新しい概念である還流膜分離を提案する。中空糸膜による膜分離の駆動力は膜を介した目的成分の分圧差であるので、透過側ガスの一部を供給側に還流することで意図的な駆動力の向上を見込むことができる。今回の検討で得られた主な結果は、(1)還流には駆動力の向上という正の効果と、還流による供給流量の増加という負の効果であり、よって還流比には最適値がある,(2)トリチウム回収には透過側圧力値が強く影響する,(3)高い透過係数を有する成分ほど還流の効果が顕著となるが、トリチウムガスとトリチウム水は他の空気構成成分より高い透過係数を有することからトリチウム回収に還流膜分離は適している。また、還流膜分離は高価な膜分離モジュールの規模低減効果も見込め、さらにトリチウム除去システム全体のコスト改善への貢献も期待できる。
大越 啓志郎*; 遠田 俊一*; 志村 憲一郎*; 山口 憲司; 寺井 隆幸*; 山脇 道夫*
Physica Scripta, T94, p.16 - 20, 2001/10
被引用回数:2 パーセンタイル:20.74(Physics, Multidisciplinary)イオン駆動透過(IDP)と原子駆動透過(ADP)の挙動の違いを調べるため、Nbに対するADP実験を行った。温度依存性に関してADPの場合、500~1000Kの範囲で中間の温度で極大となることが判明し、IDPやGDP(分子駆動透過)の場合とは異なる様相を呈した。現象論的な「再結合係数」を仮定し、下流側表面直下でのバルク水素密度を評価した。計算機シミュレーションにより、実験条件下では密度は深さ方向に関してほぼ一様となることを明らかにした。シミュレーションでは、超高真空下で行われた実験であるにもかかわらず上流側において侵入する原子流速と表面直下の水素密度の間で擬似平衡が成立するとしたが、実験で観測された特異な温度依存性を定性的に説明することができた。
北村 暁; 岡崎 充宏*
JNC TN8400 2001-009, 54 Pages, 2001/01
分光光度計およびレーザー誘起光音響分光装置の検出感度に関する性能調査を目的として、ネオジム(III)およびサマリウム(III)の吸収スペクトル測定および光音響スペクトル測定を行った。ネオジムもしくはサマリウムの濃度を210-5210-2mol-dm-3の間で変化させ、それぞれの濃度における吸収スペクトルおよび光音響スペクトルを取得した。併せて、雰囲気制御グローブボックス内で吸光測定を行うことができる分光光度計についても同様の測定を行い、吸収スペクトルを取得した。比較のために、光路長を1cmおよび10cmに設定した一般的な分光光度計を用いて、同様の測定を行った。多くの文献では、光音響測定は吸光測定に比べ大幅に低い濃度まで測定できると報告されているが、本光音響分光装置においては光路長を10cmに設定した吸光測定と同程度であるという結果が得られた。また、本実験の結果から、将来の目的としているネプツニウム(IV,V)の検出感度について推定し、特にNp(IV)溶存化学種のスペシエーションの可能性を検討した。
大野 修司; 松木 卓夫*
JNC TN9400 2000-106, 132 Pages, 2000/12
高速増殖炉プラントのナトリウム漏えい事故時の熱的影響を評価するための解析コードASSCOPSを使用して、7種類の既往ナトリウム燃焼試験の解析を実施した。雰囲気ガスやナトリウム受け皿の温度、壁温度、雰囲気ガス圧力、酸素濃度等の項目について解析結果と試験測定値を比較することにより、本解析コードを適切な解析パラメータとともに使用することで、ナトリウム燃焼とそれに伴う熱的影響の評価を妥当または保守的な形で実施できることを確認した。
磯貝 武司*; 小田 治恵
JNC TN8400 2000-025, 48 Pages, 2000/09
現在、地層処分システムを構成するプラグ、支保工材料として低アルカリ性セメントを用いることが検討されている。核種移行やオーバーパックの腐食挙動および緩衝材の長期安定性を評価する上では、緩衝材中の間隙水化学が重要となる。よって本報告では低アルカリ性セメント浸出溶液中での緩衝材間隙水のpH測定を行った。緩衝材材料であるNa型ベントナイト(乾燥密度1.6[g/cm3],直径2[cm],高さ4[cm]の円柱状)の圧縮成型体にpH指示薬含浸樹脂を埋め込み、Ar雰囲気制御下(酸素濃度1ppm以下)にて低アルカリ性セメント浸出溶液(pH≒11)に浸漬させた。1,3,6ヶ月に取り出した樹脂の呈色状態より、間隙水のpHはそれぞれpH≒9、pH≒9、pH≒11と判断した。本試験でみられたベントナイト間隙水のpHの経時変化は、前報告での蒸留水やNaCl水溶液を試験溶液(pH≒9)として用いた場合の試験結果と同じ傾向であった。これより、低酸素濃度条件下におけるベントナイト間隙水は、接する溶液のpHが911の範囲にあるとき、本試験に用いたベントナイト形状においては、13ヶ月の試験期間ではカラム外側溶液のpHよりも低くなり、67ヶ月以降にはカラム外側溶液のpHと同等かそれ以上となることが判った。
大野 修司; 松木 卓夫*; 石川 浩康; 三宅 収
JNC TN9520 2000-001, 196 Pages, 2000/01
高速増殖炉プラントにおけるナトリウム漏えい燃焼事故の熱的影響を解析するための計算コードとして、ASSCOPS(Analysis of Simultaneous Sodium Combustion in Pool and Spray)が開発された。本報告書は、ASSCOPS version 2.1の使用マニュアルとして、同コードで扱われる計算モデル、インプット、アウトプットについて取りまとめたものである。ASSCOPSコードは、米国Atomics International社で開発されたナトリウムのプール燃焼計算コードSOFIREIIと米国Hanford Engineering Development Laboratoryで開発されたスプレイ燃焼計算コードSPRAYの二つのコードを結合したものである。ナトリウムの漏えい条件(流量、温度)、部屋の形状(容積、構造物の面積・厚さ)、雰囲気初期条件(温度、圧力、ガス成分濃度)などを計算条件として、雰囲気圧力、温度や酸素濃度変化ならびに構造物の温度変化などの時刻歴が計算結果として得られる。
永井 桂一
JNC TN9410 2000-003, 52 Pages, 1999/12
本書は、平成11年5月に実施した50MW蒸気発生器試験施設内の大型コールドトラップ(1次、2次ナトリウム系用)の解体洗浄に関し、解体洗浄に係る調査検討内容や解体洗浄方法、解体洗浄結果及び安全対策等について実施記録をまとめたものである。大型コールドトラップの解体洗浄は、ほぼ計画通りの方法にて安全且つ効率的に作業を行うことができた。また、これら一連の解体洗浄を通し、様々な知見や経験等を得ることができ、これまであまり経験の無かった大型コールドトラップの空気雰囲気中における解体洗浄技術を構築することができた。本件で得られた知見及び経験等は、今後実施される大型コールドトラップの解体洗浄や類似ナトリウム機器の解体洗浄の作業計画や作業実施及び安全管理等に充分役立つものと思われる。
加藤 博康*; 中澤 俊之*; 上田 真三*; 柴田 雅博
JNC TN8400 99-069, 41 Pages, 1999/11
圧縮状態のベントナイト中での収着現象の評価の一環として、酸化/還元環境により原子価が敏感に変化するU,NpおよびTcについて地下還元環境を模擬した還元性雰囲気中での見かけの拡散係数測定を実施した。ベントナイト試料には山形県産のNa型ベントナイトであるクニゲルV1(クニミネ工業株式会社製)を用いた。乾燥密度ならびに試験液性依存性を測定するために、下記の条件にてIn-diffusion型の拡散試験を実施し見かけの拡散係数を測定した。取得された拡散プロファイルは一様でなく、複数の拡散プロファイルが混在する場合も見られた。各拡散プロファイルに対して解析を行い取得された、還元環境下での見かけの拡散係数の範囲を以下に示す。元素:U 乾燥密度1.4(g/cm3)/純水系:1.210-151.210-13(m2/s) 乾燥密度1.8(g/cm3)/純水系:1.110-141.710-13(m2/s) 乾燥密度1.8(g/cm3)/3wt.%NaCl溶液系:9.310-152.110-14(m2/s) 元素:Np 乾燥密度1.4(g/cm3)/純水系:2.410-151.610-14(m2/s) 乾燥密度1.8(g/cm3)/純水系:1.610-144.910-14(m2/s) 乾燥密度1.8(g/cm3)/3wt.%NaCl溶液系:1.310-152.610-14(m2/s) 元素:Tc 乾燥密度1.4(g/cm3)/純水系:7.010-157.410-13(m2/s) 乾燥密度1.8(g/cm3)/純水系:2.210-145.210-13(m2/s) 乾燥密度1.8(g/cm3)/3wt.%NaCl溶液系:1.910-153.510-13(m2/s)
佐藤 治夫
JNC TN8400 99-060, 12 Pages, 1999/10
ベントナイト中の見掛けの拡散係数(Da)に及ぼす珪砂混合の影響を評価するため、Na型ベントナイト(クニゲルV1)を対象として、Cs(Cs+), Ni(Ni2+), Se(SeO332-)のDaを乾燥密度1.8Mg・m-3、珪砂混合率30wt%、室温の条件にてin-diffusion法により測定した。Cs及びNiについては大気雰囲気下で、また、酸化還元電位に敏感なSeについてはAr雰囲気の低酸素条件(酸素濃度0.1ppm未満)で測定した。その結果、Cs及びSeのDaには珪砂混合の影響は認められず、得られたDaは、これまでに報告されている珪砂が混合されていない系での値と同程度であった。一方、Niについては、珪砂混合系でのDaは混合されていない系での値より2桁小さい値が得られた。これまでに報告されているNiのDaは安定同位体のトレーサを用いて測定されており、本研究で用いたNi濃度よりかなり高い濃度のトレーサが使用された。さらに、クニゲルV1の主要粘土鉱物であるNaモンモリロナイトに対するNiの分配係数(Kd)は、Ni濃度の増加に伴って小さくなることが報告されている。このことから、珪砂混合系でのベントナイト中のNiのDaが大きく減少したのは、間隙水中でのNi濃度の違いによる収着の違いによるものと考えられる。
幕内 恵三
ポリマーダイジェスト, 51(2), p.30 - 47, 1999/02
最初に放射線橋かけの歴史を回顧し、ドールを先駆者に位置づけた。議論の多い、橋かけの場所については、NMRのデータを紹介し、ポリマー結晶部では起こりにくいことを解説した。ついで放射線橋かけの効率の求め方では、最近のSunやRojiakの方法を紹介した。さらに、放射線橋かけへ影響を及ぼす諸因子をあげ、照射条件では、線量率、雰囲気、温度の効果を論じた。ポリマーの性質では、ポリマーの化学構造、分子量、分子量分布、結晶化度の影響を述べた。実用上重要な橋かけの促進法については、促進剤の選択法とその作用機構とを紹介した。最後に、放射線ならではの橋かけとして、傾斜橋かけとポリマーブレンドの橋かけを解説した。
下郡 一利*; 泊里 治夫*; 小田 正彦*; 藤原 和雄*; 舛形 剛*
PNC TJ1074 98-002, 270 Pages, 1998/02
銅は還元性条件下では熱力学的に腐食しない事が知られている。従って、地下深部本来の環境である還元性環境下において、銅にオーバーパック候補材料としての優位性が与えられる。しかし、処分開始直後には比較的酸化性の環境になるため局部腐食発生の可能性が考えられる。そこで、本研究では酸化性環境下における銅の局部腐食発生の臨界条件を明らかにする事を目的として、80度Cにおける脱気炭酸塩溶液含浸ベントナイト中及び脱気炭酸塩溶液中での60日間の電気化学的試験ならびに暴気炭酸溶液含浸ベントナイト中及び暴気炭酸塩溶液中での60日間の自然浸漬試験を行い、溶液中のイオン濃度ならびに電位と腐食状況との関係を整理し、銅の局部腐食発生の臨界条件の検討を行った。その結果、ベントナイト無しの場合、高腐食性溶液(HCOSUB3/SUPー/S0/SUB4/SUP2-l、高濃度Cl/SUP-)中は勿論のこと、低腐食性溶液(HC0/SUB3/SUP-/S0/SUB4/SUP2-l)に塩素イオン及び硫酸イオン濃度を高めた溶液中においても、淡水や給湯環境中での孔食臨界電位である。"0.115VVSSCEat 60度C(=0.296VvsSHE at 80度C)"以上では局部腐食発生の可能性があるが、ベントナイト有りの場合には、高腐食性溶液中における高電位印加以外の条件では、局部腐食発生の可能性は低いものと考えられる。また、大気平衡下での自然竜位は高くとも上記臨界電位近傍であり、実環境中では酸素の消費も生じるため、局部腐食発生の可能性は更に低いと推察された。
Huang, J.*; 山脇 道夫*; 山口 憲司*; 安本 勝*; 桜井 博司*; 鈴木 康文
Journal of Nuclear Materials, 248, p.257 - 261, 1997/09
クヌーセンセルを用いた高温質量分析法によりストロンチウムあるいはバリウムとウランとの複合酸化物の蒸発挙動を調べた。セルの材質として白金の代わりに黒鉛を用いた場合、バリウムの複合酸化物でバリウム分圧が大幅に増加した。また、重水あるいは重水素を導入した場合、一酸化物分圧の低下が見られ、雰囲気条件が複合酸化物の蒸発に大きな影響を与えることが確認された。
石川 浩康; 宮原 信哉; 田辺 裕美; 大野 修司; 三宅 収; 前田 清彦
PNC TN9410 97-030, 93 Pages, 1997/04
高速炉の安全評価におけるナトリウム漏えい燃焼の解析において、スプレイ燃焼とプール燃焼をお互いの影響を考慮しながら同時に取り扱うことが可能なようにするため、スプレイ燃焼解析コードSPRAY-IIIMとプール燃焼解析コードSOFIRE-MIIを結合させた新たなナトリウム燃焼解析コードASSCOPS(Analysis ofSimultaneous Sodium Combustions in Pool and Spray)を開発した。開発したASSCOPSコードの妥当性を検証するため、内容積21mSUP3/SUPの試験容器を用いて実施したナトリウムスプレー燃焼の実験結果を解析し、以下の結論を得た。(1)窒素雰囲気においては、SPRAY-IIIMコードでガスから壁への熱移行量が過小評価であった点について改善され、ガス圧力・温度に関してほぼ妥当評価をする (2)空気雰囲気においても、SPRAY-IIIMコードで全般的に過小評価であった点について改善され、ガス圧力・温度に関してほぼ妥当な評価をする (3)ガスと壁との間の輻射伝熱とプール燃焼を考慮しない「もんじゅ」パラメータを用いた場合には、窒素雰囲気および空気雰囲気ともにガス圧力・ガス温度に関して保守的な評価をする これらの結論から、SPRAY-IIIMコードを用いた従来の解析における課題を解決できたことを確認した。
成田 大祐; 大代 操; 吉田 真之*; 小幡 真一; 関 正之; 檜山 敏明; 上村 勝一郎
PNC TN8410 97-045, 21 Pages, 1997/03
本試験は、予備焼成雰囲気としてAr-5%H2、N2及びCO2ガスを用い、ステアリン酸亜鉛及びアビセルを添加したPu富化度30wt.%混合酸化物燃料ペレットの予備焼成時の脱炭効果、またそれが焼結挙動に及ぼす影響を調べたものである。実施した試験の結果から、以下のことが結論として言える。(1)Ar-5%H2、N2及びCO2ガス雰囲気中における予備焼成時の炭素の脱離はペレットから分離・放出された酸素及び雰囲気中の不純物酸素との間で生じるC+1/202=CO反応が主として寄与するものと考えられる。従って、脱炭効果はペレットのO/Mが高く、雰囲気の酸素ポテンシャルが高いほど大きくなると推定される。(2)ステアリン酸亜鉛及びアビセルを添加した場合の焼結密度は、CO2ガスの方が炭素の脱離が十分進むため相対的に高くなるが、Ar-5%H2ガス予備焼結ペレットでは残存炭素の影響により低くなる。(3)ステアリン酸亜鉛のみ添加し、CO2ガス雰囲気で予備焼成したペレットの焼結密度は、原料粉末粒子の凝集強度及び粒子形状に起因し、低くなる場合と高くなる場合がある。(4)予備焼成雰囲気としてCO2ガスを使用する場合は、試料皿(Mo)との間でMo+2CO2=MoO2+2CO反応によるMo皿の酸化が起こるため、それに留意する必要がある。
九石 正美*; 長谷川 裕*; 池田 泰久*; 熊谷 幹郎*; 林 孔華*; 川上 泰*
PNC TJ1564 97-002, 20 Pages, 1997/03
TRU廃棄物の一つであるアスファルト固化体には、地下水に対して溶けやすい長半減期核種のヨウ素129を含むため、ヨウ素のアスファルト固化体からの浸出挙動を把握した。また、アスファルト固化体の長期耐久性評価の観点から微生物の共存によるアスファルトの分解挙動について評価を行った。実施項目は以下の4項目である。(1)収着データベースの作成・これまでに行ったヨウ素収着試験結果158レコードをデータベースに登録した。・同様にヨウ素収着に関する文献調査結果210レコードをデータベースに登録した。・同様に炭素収着に関する文献調査結果67レコードをデータベースに登録した。・ヨウ素及び炭素を除く18核種についてJICST文献検索を行った。収着データベースの作成の一環として以下の吸着試験を実施した。・ハイドロタルサイト(HT)のヨウ素吸着は、炭酸イオン濃度が増大すると低下した。・セメント間隙水中でのHTのヨウ素吸着も高アルカリのために低下した。(2)アスファルト固化体からのヨウ素等の浸出挙動の検討・アスファルトからの核種浸出は、添加した化合物の種類には依存せずに、充填量に比例した。・アスファルトのみではほとんど膨潤しないが、固化体は浸漬期間を通じて膨潤した。・核種の浸出速度は浸漬時間の平方根に比例した。その速度からセメント間隙水中でも200lドラム缶の実固化体は約1000年で90%の核種が溶出すると予測された。・模擬セメント間隙水であるCa(OH)2溶液中で、核種の浸出速度は蒸留水中より低下したが、NaOH溶液中ではむしろ増大した。(3)微生物活動によるアスファルトの劣化挙動の調査・手賀沼から高いアスファルト分解能を持つ菌を分離した。・好気条件において、微生物のアスファルト分解に伴って培養液中に粉末状のアスファルトが溶出された。その溶出された粉末状のアスファルトを微生物の分解物として考慮した・しなかった場合、最大分解速度はそれぞれ160と423g/m2・yearであった。・好気条件下におけるアスファルトの最大分解速度は約10g/m2・yearであった。(4)アスファルト分解によって生じる有機物の確認・好気条件下において、B6微生物のアスファルト分解に伴って培養液のDOCが急に増え、最終的に367ppmに達した。・脱窒条件下において、菌ある・なしに関わらず培養前後のDOC変化が少なかっ
荒井 康夫; 岩井 孝; 中島 邦久; 白井 理; 笹山 龍雄; 塩沢 憲一; 鈴木 康文
JAERI-Tech 97-002, 45 Pages, 1997/01
アクチニド窒化物の溶融塩電解と実験用アクチニド合金試料の調製を主な使用目的とするアルゴンガス雰囲気グローブボックス並びに内装機器を製作した。グローブボックスは、アクチニドを安全に取り扱うことに加えて、反応性に富む窒化物や合金試料、さらには塩化物溶融塩等を組成変化なしに取り扱うために、良好な負圧維持機能を有するとともに、高純度の不活性ガス雰囲気を確保することに重点をおいて設計、製作した。主要な内装機器として、溶融塩電解装置、電極処理装置、電解試験装置、アーク溶解炉、試料焼鈍装置及び熱量測定装置を上記グローブボックス内に格納した。これらについても、それぞれの実験目的に合致した諸性能を有していることを確認した。